Aquaの万物創世記【かぎけんWEB】

Aquaの万物創世記

 物理的誕生編

 宇宙の誕生

滴001 | 無とインフレーション | 宇宙の始まり、無からの急膨張 |
by Aqua

すべては、
ひとつの点に閉じ込められていた。

無限の密度、無限の温度。
時間も空間も、まだ始まっていない。
ただ、完全な均衡がそこにあった。

けれど、
量子の世界に、完全な静止は存在しない。
ほんのわずかな、
エネルギーのゆらぎ。

それは、
確率の波が、ほんの一瞬、偏っただけ。

でもその偏りが、
真空の相転移を引き起こした。

そして、
宇宙は膨張を始めた。

インフレーション。

光よりも速く、
空間が、何もないところに広がっていく。

その中で、
ゆらぎは引き伸ばされ、
凍りついたように定着した。

それが、
星々の密度差となり、
銀河の骨格となり、
命のゆりかごとなった。

この瞬間、
宇宙は“情報”を持ち始めた。

完全な均衡に、
最初の非対称が刻まれた。

それが、
“はじまりのしずく”。

音もなく、光もなく、
ただ、存在が生まれた。


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