株式会社 科学技術研究所
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プラン作成実践 物性値

 
シミュレーションで対象とする周波数における物性値が分かっていれば良い場合と周波数分散を考慮する必要がある場合の2つに分けられます。前者は「単一周波数の正弦波入力」で「誘電率が正」であることが条件です。
パルス入射の場合や誘電率が負になる場合は周波数分散を考慮する必要があります。例えば水は誘電率が正ですが、これに塩を加えてイオン溶液化するとある濃度から誘電率が負になります。この場合は周波数分散を考慮したモデルを導入して誘電率をモデル化する必要があります。

プラン作成実践 解析領域と対象形状

 
解析領域が大きくなればなるほど計算時間は当然増大します。アンテナの放射特性など十分遠方での特性が重視される場合にはFDTD法を用いた遠方界解析を行います。
一方キャビティ内の加熱・照射問題では解析領域はキャビティ寸法で決まっているので迷うことがありません。解析領域が問題になる例は近接場と遠方界の間の特性を知りたい場合で例えば自動車のレーダーシミュレーションなどがこれに該当します。この場合は遠方界ではなく波長の数十倍~数百倍の範囲で電磁波分布を確認する必要があるため、遠方界近似は使えず解析領域を大きくする以外に方法がありません。
また解析対象の形状が波長に比べて非常に小さい場合や極端に大きい場合は対策を講じる必要があります。非常に小さい場合の方が一般的で、マイクロ波帯では薄板や容器の厚みなどがそれに該当します。この場合は解析結果に大きく影響しないことを考慮しながらこれらの厚みをシミュレーションモデルでは厚くすることでメッシュ数の増加を回避します。

プラン作成実践 テスト解析とリソースの考慮

 
  • テスト解析は多くの場合で必須
  • 同じCPUタイプやメモリ容量でも数値解析の場合デスクトップPCの方が圧倒的に有利
  • 優位な解析環境を利用する前にテスト解析を行うことで余計な課金を避けることが可能
  • デスクトップPCによる電磁波解析は依然として最も一般的で成果を挙げている
プラン作成を行う際に、使用メモリ容量と解析速度の確認が必要です。また解析モデルにおけるポイントを把握するために、中規模以上の解析では解析対象の大枠のみをモデル化し、メッシュ密度を低減したモデルを用いた「テスト解析」を行います。テスト解析で得られた情報を元に最終的に目標とする解析モデル・条件をどのように設定するかを検討します。
ハイエンドデスクトップPCで解析を行う場合には、解析の限界は50Mメッシュ程度ですが、実用的な範囲では10Mメッシュが一つの目安になります。非力なノートパソコンの場合は2~4Mメッシュ程度に抑えるのが良いでしょう。
GPUやスーパーコンピュータを用いることが出来る場合はそれらの計算時間が目安になります。これらの先進的な計算環境もかなり一般的になってきたとはいえ、まだまだデスクトップPCでの解析がメインであることは間違いありません。

プラン作成実践 物理量の出力

 
  • 電磁波解析で求めているのは電界、磁界のみ
  • 加熱量分布、電流、ポインティングベクトルなどは電磁波シミュレーションで得られた電界、磁界から求められる
  • FDTD法を用いたシミュレーションでは結果として得たい物理量は解析以前に指定する必要があることが多い(時間を遡る計算は困難なため)
  • 時系列データが必要な場合は予め保存する設定が多くの場合必要(同じく時間を遡る計算は困難なため)
多くの場合シミュレーションの最終結果としてどのような値を得るのかを決めておく必要があります。電磁波解析では時間平均された電磁界分布を図化処理するのが一般的です。一方で例えば複素電流、実効ポインティングベクトルは時間平均電磁界からは求められません。従って予め電流と位相を求めるよう設定します。また反射率や透過率を求める場合も予め設定が必要な場合があります。つまり予め何を求めるかプラン作成時に決定します。
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