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シミュレーションの妥当性に関する注意点・対処

 
FDTD解析で習得するのに時間を要するのは、解析に関する理論の理解よりもシミュレーションで有用な解析結果を得るためのプランの策定です。それなりのシミュレーションソフトウェアを使用すれば、多くの場合解析結果が得られて、可視化すればそれなりに「研究をやっている」錯覚に陥ります。
筆者は目的が明確でない、あるいは設定パラメータ等に必然性が感じられないシミュレーションを「やってみましたシミュレーション」と呼んでいます。やってみましたシミュレーションでは様々な条件設定に必然性が薄く、解析結果の妥当性が確認できないことがしばしば。更にその解析結果から読み取れる情報も必然的に曖昧です。
これを避けるため、定性的・定量的いずれの目的があるとしてもシミュレーションを行う場合には、その目的に応じてシミュレーションのプランを立てるべきであると考えています。特に定量的なシミュレーションは予め、何をパラメータとしてどのような結果を得ることが目的か強く意識しない限り、有用な結果を得ることは困難です。
メッシュ数
定性的
定量的
メッシュ幅は波長のλ/20~λ/10程度を目安に。但し波長短縮には注意が必要。薄板などは定性的に問題ない範囲で厚くしてメッシュ幅が大きくても再現できる工夫をする。
把握する現象がどのようなものかによって必要なメッシュ数は大きく異なる。メッシュ密度が高い方が精度は上がるが解析時間が長くなるため、物理的考察に基づいてメッシュを減らす工夫が必要。
テスト解析
定性的
定量的
必ずしも必要ない。
必ず必要。特にパラメータサーベイを行う場合にすべてのパラメータで共通の解析モデル・条件を使用することが望ましいのでその検討のためにもテスト解析は必須。
境界条件
定性的
定量的
吸収境界はMUR1で十分。周期境界条件は積極的に活用する。
吸収境界条件はPML。周期境界条件を用いる場合、解析モデルが解析目的に適っているか検討する。
物性値
定性的
定量的
定数で十分だが、場合によっては分散モデルを検討する。
慎重に検討を要する。温度依存性や波長分散モデルの考慮は必須。
収束性の確認
定性的
定量的
確認するに越したことはないが、単に電磁波の伝搬様式を確認する場合などは必要ない。
過渡状態のシミュレーションでない限りは必ず必要。
図化処理
定性的
定量的
重視する。定量化されたデータがない分、現象を説明するための分かりやすい図化処理が必須。
必要に応じて、作業する。図化処理よりも定量化したデータをどう見せ・説明するかの方が重要な場合が多い。
データ処理
定性的
定量的
必ずしも必要ない。
必須。最終的にどのような定量化手法を用いるかを念頭に置いて解析モデルを作成する必要がある。
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