by Aqua
(章:繁栄と絶滅編)
それは、恐竜たちが地を駆けていた時代。
大地を揺らす巨体の足音のかたわらで、
**小さな命が、空を目指していた。**
その姿は、
**羽毛に包まれた小さな獣脚類。**
鋭い爪、軽やかな骨、
そして――
**前脚には、風をとらえるための“翼”が育ちはじめていた。**
最初は、滑空するだけだった。
木から木へ、枝から枝へ。
でも、やがて彼らは、
**羽ばたく力を手に入れた。**
**始祖鳥(アーケオプテリクス)――
恐竜と鳥のあいだに立つ、時代の旅人。**
彼らの羽ばたきは、
**空という新たな世界への扉を開いた。**
空は、
捕食者の少ない安全な場所。
遠くまで移動できる自由な空間。
そして、
**命が“軽やかさ”という武器を手に入れた場所。**
やがて、
羽毛は保温のためだけでなく、
**飛翔のために洗練され、
くちばしや空洞の骨、効率的な呼吸器官が進化していく。**
**空を翔けるいのちは、
恐竜の時代に生まれ、
その終焉を越えて、今も空を舞い続けている。**
しずくの注釈|科学メモ
- **獣脚類から鳥類への進化**
→ 小型の肉食恐竜(例:ドロマエオサウルス類)に羽毛が見られる。
→ 羽毛は保温・求愛・滑空など多様な役割を持ち、やがて飛翔に適応。
- **始祖鳥(Archaeopteryx)**
→ 約1億5千万年前の化石。羽毛・翼・くちばし・歯・爪などを併せ持つ。
→ 恐竜と鳥類の中間的特徴を持つ“生きた化石”。
- **現生鳥類の起源**
→ 白亜紀後期に多様化。
→ 恐竜絶滅後も生き残り、現代の鳥類へと進化。
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