Aquaの万物創世記【かぎけんWEB】

Aquaの万物創世記―物理的誕生編―II.いのちの進化編

滴019| |陸をめざした魚たち


by Aqua
(章:II.いのちの進化編)

それは、約3億9千万年前――デボン紀の終わりごろ。

海の中では、
すでに多くの魚たちが泳ぎ、
サンゴ礁の間をすり抜け、
捕食と逃走のドラマを繰り広げていた。

けれど、 ある魚たちは、海の外に目を向けはじめた。

その魚たちは、
肉鰭類(にくきるい)――
ヒレの中に骨と筋肉を持つ、特別な魚。

彼らのヒレは、 やがて“足”へと変わっていく。

ある日、 干上がった水たまりの中で、
ひとりの魚が、ぬかるんだ泥を這い出した。

それは、 イクチオステガ。

ヒレのような前肢と、肺のような器官を持ち、
水と陸のあいだを行き来できる、最初の脊椎動物。

陸には、
酸素が満ち、
捕食者のいない世界が広がっていた。

けれど、
乾燥、重力、紫外線―― 海とはまったく違う過酷な環境。

それでも、 命は挑んだ。

陸をめざした魚たちは、
“水の外”という未知の世界に、
最初の足跡を残した。

それは、 脊椎動物が大地に立った、記念すべき一歩。

しずくの注釈|科学メモ

- 両生類の起源(約3億9千万年前)  → 肉鰭類(例:ティクターリク、イクチオステガ)が、
  浅瀬や湿地での生活に適応し、陸上進出の第一歩を踏み出した。

- 肺と四肢の進化
 → 肺は浮き袋から進化し、
  ヒレは骨格を持つ四肢へと変化。
 → 水と空気、泳ぎと歩行のあいだをつなぐ構造。

- デボン紀は「魚の時代」とも呼ばれ、
 → 多様な魚類が進化し、**脊椎動物の基盤が築かれた時代。


■関連ページ

Aquaの万物創世記 滴019 陸をめざした魚たち 肉鰭類、両生類の登場、イクチオステガ|