ヒオウギ(檜扇)【かぎけんWEB】

ヒオウギはキジカクシ目アヤメ科アヤメ属ヒオウギ種の多年草です。別名:カラスオウギ(烏扇)、ブラックベリー・リリー(Blackbery lily)

ヒオウギ(檜扇) ヒオウギ(檜扇)
ヒオウギ(檜扇)、京都府立植物園、2012年8月5日


ヒオウギ(檜扇)


ヒオウギ(檜扇、Iris domestica) は、橙色の六弁花で花には多数の暗紅点があるアヤメ科アヤメ属の耐寒性多年草です。 花後、果実が生りますが、緑の果実は秋になると熟して割れて、中から黒い種子が現れます。 これは射干玉(ヌバタマ)と呼ばれるもので、万葉集では黒を意味する枕詞として使われています。 種子が黒いことから英名ではブラックベリー・リリーと呼ばれます。 鑑賞用とされる他、根茎部に消炎、解毒効果の成分が含まれるので漢方薬としても用いられます。


万葉集と草木

万葉集では、「射干玉(ヌバタマ)」は黒や夜にかかる枕詞とされます。

万葉集 第10巻 2076番歌

作者:不詳 題詞:七夕 登場する草木:ヒオウギの黒い果実「ヌバタマ」

原文

天漢 瀬乎早鴨 烏珠之 夜者開尓乍 不合牽牛

読み

天(の)漢(川) 瀬乎(を)早(み)鴨(かも) 烏珠(ぬばたま)之(の) 夜者(は)開(へ)尓(に)乍(つつ) 不合(遭はぬ)牽牛(彦星) ↓ 天の川 瀬を早みかも ぬばたまの(枕詞) 夜は更けにつつ 逢はぬ彦星

意味

天の川 川瀬の流れが早くて渡れないのか (枕詞) 夜は更けてゆくのに 織姫に逢えない彦星であった。

一般名:ヒオウギ(檜扇) 、学名:Iris domestica、別名:カラスオウギ(烏扇)、Leopard flower、分類名:植物界被子植物単子葉類キジカクシ目アヤメ科アヤメ属ヒオウギ種、原産地:東アジア、分布:本州〜四国、九州の日本、開花期:7月〜8月、花色:橙色、種子色:黒、種子径:0.5 cm。

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ヒオウギ(檜扇)、京都府立植物園、2012年8月5日


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