ミズナラ(水楢)【かぎけんWEB】

ミズナラとは、ブナ目ブナ科コナラ属ミズナラ種の高木です。

別名:オオナラ(大楢)、ミズボウソウ

ミズナラ(水楢)のイラスト

「森を蝕む静かな侵略 ミズナラとカシナガの物語」

晩秋の北海道南部の山林。葉を落とした木々が静かに立ち尽くし、 森の空気はどこか寂しげです。
アクアちゃんは枯れかけたミズナラの根元で しょんぼりと静かに佇んでいます。
足元には、木くずと糞が混じった「フラス」… そして、カエルさんがそっと見つめる先には、 カシノナガキクイムシの姿があります。

アクアさんの応援
ミズナラ
木のそばに、アクアちゃんと、カエル さん。

●ミズナラさんにエールを送るアクアちゃん

カシノナガキクイムシ(通称:カシナガ)という虫が持つ細菌―ナラ菌によるナラやブナなどの樹木の枯れ死「ブナ科樹木萎凋病」が大きな問題となっています。 さらに、ナラ枯れが発生した森林では、赤いカエンタケ(火炎茸)という猛毒のキノコが発生しやすく、茸に触れた部分が炎症を起こすほどです。

枯葉のブーケ
アクアちゃんが、枯葉を束ねた素敵なブーケをミズナラさんに送っています。
イラストby Copilotさん。


ミズナラ(水楢)の写真

ミズナラ(水楢)


ミズナラ(水楢、学名:Quercus crispula)とは

ミズナラ(水楢)とは、ブナ目ブナ科コナラ属ミズナラ種の落葉広葉高木です。 水分を多く含むため燃え難く、また強度もあります。 雌雄同株で、花は春に咲き、風媒花となります。 葉に鋸歯があり互生して付き、秋に黄葉します。 果実はドングリとなりますが、渋くて食用とはしません。 材は高級家具やウィスキー樽材、高級木炭、椎茸栽培用のほだ木に用いられます。

ミズナラとコナラの違い
ミズナラと、コナラ(小楢)は似ています。 コナラに対し、ミズナラはオオナラとも呼ばれます。 見分け方のコツは、 葉柄が、ミズナラは殆ど無いが、コナラにはある 葉の鋸歯がミズナラは鋭い三角形であるのに対し、コナラは浅い。 ドングリの殻斗(帽子)が、ミズナラは大きく深いのに対し、コナラは浅い。 。


唐招提寺には、
「水楢の柔き若葉はみ眼にして 花よりなほや 白うにおはむ」(北原白秋)
という歌碑があります。

一般名:ミズナラ(水楢)
学名:Quercus mongolica var. grosseserrata
別名:オオナラ(大楢)、ミズボウソウ
APG植物分類体系:植物界被子植物真正双子葉類ブナ目ブナ科コナラ属ミズナラ種
原産地:中国、日本 
生息分布:北海道~九州 生活環境:山地
生活型:落葉広葉高木
樹高:20〜30m 樹径:1.5m 樹皮色:灰褐色〜暗褐色
若枝:無毛
葉形:倒卵形 葉身長:7〜20cm 葉幅:7cm 葉色:濃緑(表)、薄緑(葉裏) 葉柄:ほぼ無い(0.3cm) 葉身基部:耳朶状 葉の変色:緑→黄葉 黄葉:10〜11月 葉の付き方:螺旋状に互生し枝先に束生 葉縁:三角状の荒い鋸歯 
開花期:5月 雄花序長:4〜5cm 
果実長:2cm 果実形:楕円形 結実期:10〜11月

■関連ページ
ミズナラ(水楢)  11月の花#5(2004年、唐招提寺)  マ行の花図鑑  花図鑑  樹木図鑑  花暦2004年  花暦 


ミズナラ(水楢)

ミズナラ(水楢)
ミズナラ(水楢)
2004年11月23日、唐招提寺(奈良)で
「水楢の柔き若葉はみ眼にして 花よりなほや 白うにおはむ」(北原白秋)