アジサイ「三河千鳥」

アジサイ「三河千鳥」
アジサイ「三河千鳥」

「三河千鳥」は花房の中で比較的大きな先のとがったひし形の花弁を持つ両性花が表面に目立つのが特徴。装飾花は3~4枚の楕円形の花弁を持ち4枚の場合1枚は小さいことが多い。個性の異なる両性花と装飾花が双方花房で咲き誇るのが好ましい。アルカリ性土壌では赤というよりも薄紫の花を付けることが多いようです。

三河千鳥は遠州出身

アジサイ「三河千鳥」
アジサイ「三河千鳥」

三河千鳥の名前がついていますが、手元の資料によると実生が発見されたのは遠州とのことです。隣合わせといっても三河は愛知県、遠州は静岡県入れ替えては物議を醸しそうな気がします。花卉は流通される段階で似た別の名前が付けられてそれが定着する傾向にあるようですが、せめて「三河千鳥の出身は実は遠州」と覚えてやってください。そこまでして流通するだけあって人気の品種です。

苗の販売などで「手毬咲き」となっていることが多いですが伊予獅子手毬のように真ん丸にはなりません。私はアジサイの咲き方を少し細かく分けて丸くない方から台咲き、椀咲、手毬咲と考えています。この三河千鳥は台咲きから椀咲に咲くことが多いようです。

三河千鳥はガクアジサイ?

アジサイ「三河千鳥」
アジサイ「三河千鳥」

三河千鳥は一般的に「ガクアジサイ」に含めることが多いようです。アジサイとガクアジサイの違いのポイントの一つに「両性花」が全くないかごく小さいのがアジサイ、確認できるのがガクアジサイという点があります。三河千鳥は装飾花と両性花が一緒に咲くのでガクアジサイ系…ということなのですが釈然としません。

そもそもガクアジサイの最も顕著な特徴は装飾花が両性花を囲む額のように咲くことです。額の様ではなく手毬咲きになるアジサイをガクアジサイと言ってしまうのは納得がいかないのでこのサイトではアジサイ系に含めました。

分類など野暮なことで非常に美しい花です。