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マジックTのマイクロ波伝播シミュレーション
Abstract

電磁波解析ソフトKeyFDTDを使用してマジックT導波管を解析した。 マジックTはE面T分岐導波管とH面T分岐導波管を組み合わせた4ポートの導波管である。1つのポートから2つのポートに分割、または2つのポートから1つのポートに合成して伝送できる。今回は1つの入力ポートに対し、2つの出力ポートに分割して伝送するような入力ポートを設定し、伝送率および伝播の様子を確認した。E面T分岐導波管とH面T分岐導波管の伝播と一致し、解析結果から伝送率を計算できることを確認した。

 

1. 解析概要

マジックTはE面T分岐導波管とH面T分岐導波管を組み合わせた4ポートの導波管であり、電磁波の分岐、合成に用いられる。本報告書ではマジックTの入力ポートに応じたマイクロ波伝播の変化をKeyFDTDでシミュレートした結果を報告する。

2. 解析条件

解析モデルをFig.1に示す。境界条件は+y方向、-z方向の境界にPEC、他の境界はPMLとした。励振波形はTE10モードの正弦波で周波数2GHzとした。メッシュ幅は2.5mm=λ/60である。ポート1もしくはポート4を入力ポートとした。伝送率を、入出力ポートを通過するポインティングベクトル積算値の比から求めた。また反射率を、入力ポート~導波路結合部間を延長した解析モデルを解析し、定在波法から求めた。

解析モデル
Fig.1 解析モデル

3. 解析結果

Fig.2にポート1、Fig.3にポート4を入力ポートとした場合のある瞬間における電界ベクトルを示す。Fig.2はポート2、3に逆位相で伝播するE面T分岐導波管、Fig.3はポート2、3に同位相で伝播するH面T分岐導波管の伝播と一致している。Fig.4 にポート1、Fig.5にポート4を入力ポートとした場合の電界強度分布を示す。反射波が生じているため入力ポートに定在波が確認できる。Table.1にポート1、ポート4を入力ポートとした場合の各出力ポートの伝送率と入力ポートの反射率を示す。ポート1を入力ポートにした場合は、エネルギーの約15%が反射、ポート4には伝播せず、ポート2、3に約45%ずつ伝播している。ポート4を入力ポートにした場合は、エネルギーの約30%が反射、ポート1には伝播せず、ポート2、3に約35%ずつ伝播している。本解析では入力側と出力側のインピーダンスが整合していないため反射の大きな結果となっている。またこの解析事例ではメッシュ密度が低いため反射率と伝送率の和が完全には100%になっていないことで、厳密な定量的解析ではメッシュ密度の向上が必要なことが示されている。

Table.1 入力ポートのエネルギー反射率と出力ポートのエネルギー伝送率
 
port1 input port4 input
S11 15% S14 0%
S21 45% S24 35%
S31 45% S34 35%
S41 0% S44 30%
 
 
input_port1_vec Fig.2 ポート1から入力した場合の電界ベクトル
input_port4_vec Fig.3 ポート4から入力した場合の電界ベクトル
 
input_port1_sum Fig.4 ポート1から入力した場合の電界強度分布
input_port4_sum Fig.5 ポート4から入力した場合の電界強度分布

4. まとめ

電磁波解析ソフトKeyFDTDでマジックT導波管の電波伝播をシミュレートした。入力ポートに応じて、E面T分岐導波管、H面T分岐導波管の伝播を示し、それぞれの伝送率、反射率を導出できることが確認できた。

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