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マイクロ波パルス照射による液中プラズマの安定発生条件の調査

Abstract

マイクロ波照射によりタングステンアンテナで水中プラズマを安定発生させる条件について、電磁波解析ソフトKeyFDTDを用いて調査した。液中にあるアンテナ先端部の表面積を変化させることで、周辺部の電界強度を制御可能であることが示され、プラズマの安定発生条件が調査可能であることが分かった。

The optimal condition for continuous generation of in-liquid plasma using microwave irradiation and Tungsten antenna was investigated through simulations of electric field intensity distribution by electromagnetic wave analysis software KeyFDTD. It was revealed that the electric field intensity around the edge of antenna soaked in water could be controlled by changing the surface area of that part, suggesting that KeyFDTD can be used to examine the optimal condition for continuous in-liquid plasma.


1. 解析概要

分離回収困難な溶剤や有機塩素系物質の廃液処理方法として、水中プラズマ法が提案されている。対象廃液の電気伝導度が低いことから、マイクロ波がプラズマ源として適していると考えられるが、プラズマの熱によるアンテナ電極の融解などにより、プラズマの発生時間を十分長くすることが困難である。本報は、電磁波解析ソフトKeyFDTDを用いてマイクロ波による電界強度分布を計算し、タングステンアンテナが水中プラズマを安定発生させる条件を調査する。

2. 解析条件

Fig1に示す3次元モデルを構築した。タングステンアンテナの下腹部にある同軸励振源から電磁波が伝送され、円筒型の導波管を通ったあとに円筒型水中リアクターに伝播する。

解析モデル図Fig.1 Simulation model

Fig2にFig1のx-z断面図を示す。本報では、水中プラズマを発生するタングステンアンテナの先端を二通り仮定した。いずれも形状は円錐であるが、高さhを10 [mm], 20 [mm]に設定した。モデルを構成する物質として真空、水、導体(PEC)を用い、導波管とタングステンアンテナの物性は導体(PEC)を与えた。それぞれの物性値および解析条件はTable1に示す通りである。

モデル寸法Fig.2 Simulation model (cross section view)

Table.1 Analysis condition
Vacuumε = 1
Waterε = 77.54, tanδ = 0.114
PECσ = ∞
Boundary conditionx,y : PML, z : MUR1
Computational domain90×90×90 [nm]
Mesh size0.5 [nm] (λmin = 13.9 [mm]
Timestep8.0×10-13 [sec]

3. 解析結果

TEMモードの電磁波を伝送したシミュレーションにより、定常状態における1波長積算した電界分布を得た。Fig3はx-z断面図の電界強度分布であり、左はアンテナ先端部の高さh=20 [mm]、右はh=10 [mm]に設定した時の結果を示している。

電界分布Fig.3 Electrical field distribution

アンテナ先端の高さが低いときの方が、その周辺部の電界強度が大きくなった。これは、水中にあるアンテナの表面積を小さくしたことで、水による電界強度の減衰が抑えられたためだと考えられる。この結果から、水中にあるアンテナ先端の形状を変化させることで、その周辺部の電界強度を制御可能であることが示唆された。

4. まとめ

アンテナ下腹部にある同軸励振源からマイクロ波を伝送し、水中でプラズマを発生させる実験を、KeyFDTDでシミュレーションした。水中にあるアンテナ先端の表面積を減少させた場合に、その周辺部の電界強度が上昇し、アンテナ先端の形状によりその周辺の電界強度を制御可能であることが示された。また、電磁波解析ソフトKeyFDTDを用いることで、プラズマ発生に必要な電界強度の上昇を数値解析として調査可能であることが分かった。

[1] S.Horihoshi , S.Sawada, “Microwave-Driven In-liquid Plasma in Chemical and Environmental Applications. lll. Examination of Optimum Microwave Pulse Conditions for Prolongation of Electrode Lifetime, and Application to Dye-Contaminated Wastewater,” Plasma Chem Process, 2018.

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