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ロジウムナノ粒子のLSPRシミュレーション

Abstract

電磁波解析ソフトKeyFDTDを使用してロジウムナノ粒子のLSPR(局在プラズモン共鳴)シミュレーションを行った。ロジウムは白金族の金属であり主に自動車の三元触媒として使われている。ロジウムをナノ粒子に加工するとLSPR波長が紫外域に存在することが知られている。ロジウムはLSPRの性能に関わる酸化膜の影響が少ないため、紫外域のプラズモニクス材料として期待されている。今回はロジウムの物性を分散モデルで近似し、単分散した粒径の異なるロジウムナノ粒子をFDTD法を用いてシミュレーションした。可視光域はほぼ反射し、紫外域でLSPRにより吸収率が増大することが確認できた。

LSPR (Localized surface plasmon resonances) simulations of rhodium nanoparticles were carried out using the electromagnetic wave analysis software KeyFDTD. Rhodium is a platinum group metal and is mainly used as a ternary catalyst in automobiles. When rhodium is processed into nanoparticles, it is known that LSPR wavelengths exist in the ultraviolet region. Rhodium is expected to be a promising plasmonics material in the ultraviolet region because of the low influence of oxide film on LSPR performance. In this study, we approximated the physical properties of rhodium using a dispersion model and simulated monodispered rhodium nanoparticles with different particle sizes using the FDTD method. It was confirmed that the visible light region was almost reflected and the absorption rate increased in the UV region by LSPR.

 

1. 解析概要

金属ナノ粒子は、貴金属を中心に鉄やニッケルなど多数の材料が研究されている。本報告書では自動車の三元触媒に使用されるロジウムについてナノ粒子の光学特性を電磁波解析ソフト KeyFDTD を用いてシミュレートした結果を報告する。

 

2. 解析条件

解析モデルをFig.1に示す。解析領域は、x、y方向を粒径の2倍とし、z方向を520nm固定とした。ロジウムの複素誘電率と分散モデルによる近似をFig.2に示す。複素誘電率の近似はEq.(1)、パラメータを$ \varepsilon_\infty=1.00$、$\omega_{p1}=2.05\times10^{16}$ $[rad/sec]$、$\nu_c=2.05\times10^{15}$ $[rad/sec]$、$\Delta\varepsilon_1=1.00$、$\omega_{p2}=1.20\times10^{16}$ $[rad/sec]$、$\delta_{p1}=7.20\times10^{15}$ $[rad/sec]$、$\Delta\varepsilon_2=2.50$、$\omega_{p3}=4.30\times10^{15}$ $[rad/sec]$、$\delta_{p2}=2.15\times10^{15}$ $[rad/sec] $とした。境界条件はx、y方向に周期境界条件、z方向に吸収境界条件MUR1とした。粒径20、40、60、80[nm]のナノ粒子に対して透過・反射スペクトルを導出した。スペクトルはガウシアンパルスの入射波形と反射波形のフーリエ変換後のエネルギー比から計算した。

ロジウムナノ粒子の解析モデル
Fig.1 Simulation model
$$ \varepsilon(\omega) = \varepsilon_\infty+\frac{\omega_{p1}^2}{\omega(\omega+j\nu_c)}+\Delta\varepsilon_1\frac{\omega_{p2}^2}{\omega_{p2}^2+j\omega\delta_{p1}-\omega^2} +\Delta\varepsilon_2\frac{\omega_{p3}^2}{\omega_{p3}^2+j\omega\delta_{p2}-\omega^2} $$ ロジウムの物性値
Fig.2 Relative permittivity of Rhodium
 

3. 解析結果

Fig3.に各粒径の透過・反射スペクトルを示す。可視光域はどの粒径でも 80%以上透過しており、紫外域で透過率の減少が見られた。粒径を拡大させると反射率が増大している。反射率の増大と比較して透過率の減少が大きいため、吸収率が大きく上昇していると考えられる。粒径 80[nm]、波長 200、600[nm]について電界強度の最大値で規格化した電界分布をFig.4、5 に示す。波長 200[nm]では粒子近傍に電界集中が見られ、吸収率の増大は局在表面プラズモンにより生じたと考えられる。

 
ロジウムナノ粒子の透過反射スペクトル
Fig.3 Spectra (dotted line: reflectance, solid line:transmittance)
非LSPR波長の電界強度分布
Fig.4 Electric field distribution (Diameter=80nm,λ=200[nm])
LSPR波長の電界強度分布
Fig.5 Electric field distribution (Diameter=80nm,λ=600[nm])
 

4. まとめ

ロジウムの物性を分散モデルで近似し、FDTD法により透過・反射スペクトルを導出した。紫外域で局在表面プラズモンによる透過率の低下が確認できた。

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