1. HOME
  2. ブログ
  3. 電磁波解析
  4. 電波吸収体のおはなし

ブログ

電磁波解析

電波吸収体のおはなし

電波吸収体は電磁波を熱に変換して吸収するものです。

身近なところでは高速道路のETCの電波の吸収などに利用されています。
この電波吸収体で壁や天井全面を覆った部屋を電波暗室といいます。
電波暗室の中では外部の電波を遮断し、内部の電波も反射しません。
レーダーや携帯などの電波の発信方向や距離に応じた強さを計測をする際に
床や壁、天井から反射する電磁波の影響を取り除くために使用します。

電波吸収体の原理は吸収体内に入ってきた電磁波を熱に変換することで反射を防ぎます。
電波吸収体の形状には主にシート状やピラミッド状があります。
シート型の電波吸収体は薄いため場所を取りません。
ただし、シートの薄い厚さで吸収する必要があるため、基本的に狭い帯域の周波数しか吸収できません。
ピラミッド型はシート状より場所を取りますが、その形状から吸収できる帯域を広くできます。
電波暗室の広さや希望の周波数帯、吸収性能によって使い分けます。

一般の方で電波吸収体が必要になることはまずありません。
家の壁に付けても携帯の電波が繋がらなくなって困るだけです。
電波を発する機器は人体や他の機械に害を及ぼさないような仕組みをつけることが法律で義務付けられています。

安心して使用してください。

電波を吸収する電波暗室は一般の方はまず入れませんが、同じ構造で音を吸収する無響室であれば、新宿にあるNTTインターコミュニケーション・センターで体験できるそうです。
音が全く反射しないため平衡感覚が狂い、立っていられなくなるとのことですが興味がある方は是非行ってみてください。

 

関連記事