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麻呂という奴😒万葉集草木72.クリ

クリ(栗、学名:Castanea crenata〉は、韓国~日本原産で、ブナ科クリ属の落葉高木とその果実のことです。花弁 (花冠) がない単花被花で、花弁に似た萼片だけがあります。花は雌雄同株で、1つの株に雄蕊だけの雄花と、雌蕊だけの雌花が咲きます。5月下旬~6月上旬に薄黄色の長く垂下して目立つ雄花の花序の根元に、小さな白い雌花が咲きます。

万葉集とクリ

万葉集に栗を詠んだユニークな歌があります。夫の歌に対する妻の返歌ですが、妻ではなく夫本人が詠んだような気がします。気のせいでしょうか。

万葉集 第9巻 1783番歌

作者:柿本人麻呂(柿本人麻呂歌集)
題詞:妻和歌一首

原文

松反 四臂而有八羽 三栗 中上不来 麻呂等言八子

読み

松返り 四臂而(しひて)あれやは(有八羽) 三栗の 中上(り)不来(来ぬ) 麻呂等(と)言(いふ)奴(やっこ)

松返り しひ(癈い)てあれやは 三栗の 中上り来ぬ 麻呂と言(う)奴(やっこ)

意味

(鷹が手元に戻らず)松に返るように 老いぼれたか 上京しても(妻である私の元に)来ない 麻呂という奴は。


三栗(みくり)とは、イガの中に3つ入っている実のことで、「中」にかかる枕詞。
しひ(癈い)とは、老いぼれること。
中上りとは、地方官が任期中に報告に上京すること。

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