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大腸菌がお絵描き(2017年5月24日 藤田明希)

大腸菌というと一般的には人や哺乳類の消化管にいる微生物で水質汚染の指標とされます。例えば東京のお台場海浜公園は人工の砂浜もあり海水浴が出来そうですが、大腸菌群の数が基準よりも多いために遊泳禁止とされています。要するに大腸菌が多いので飲み込んだらおなか痛くなるかもよ、ってことです。

ところがこの大腸菌、意外なところで活躍します。大腸菌は遺伝子の組み換えが比較的容易でさまざまな遺伝子を組み込んだ菌を作成できます。有名なところではジーンズの染料に使われるインディゴブルーを生産する大腸菌が挙げられます。※1

今日取り上げた記事はそれをさらに進めて、組み込む遺伝子の組み合わせで色の三原色RGBを算出させて、結果的に狙った色の染料成分を生産させようという研究です。記事では色々な色を生成する大腸菌を塗布しておいて光に当てておくことで染料成分を生産させて結果として描かせた絵の写真が掲載されています。

考えてみれば古くから人は微生物を活用してきました。和食の素材だけでも酢、味噌、醤油、漬物、納豆、鰹節などなど枚挙にいとまがありません。また毎日お世話になっているお酒を忘れてはいけません。そしてそういえばかぎけんの所在地も「麹町」で微生物に関係していました。

※1:P450cam変異体が導入された高効率インディゴ生産菌の創製

元記事(Nature.com) Light-sensitive E. coli paint a colourful picture

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