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殺戮の遺跡(2017年5月26日)

英国でのコンサート会場における爆破テロは悲惨な被害をもたらしました。被害を受けた方、またそのご家族、知人の方々に深く哀悼の意を表明します。またこの問題が英国と米国の情報共有云々という別の問題に論点がずれていって、被害の悲惨さが忘れられるような事態とならないよう希望します。

さて本日取り上げるのは今から1900年前の殺戮の現場が発掘されているというニュースです。発掘されているのは英国スコットランドのローマ帝国が侵攻してきた際に築いた砦と考えられている場所です。Wikipediaで調べてみると1900年前というとローマ帝国の皇帝は5賢帝の内の一人に数えられるトラヤヌスの時代です。

このトラヤヌス、同時代あるいは後世の人々からその軍事的成果だけではなく皇帝としての威厳を有し、また人柄も素晴らしいということで評価が高いようです。実際当時として長命を保ちまた即位期間も20年近くありましたが、その中でローマ帝国の勢力を相当伸張させています。上記の遺跡はその伸張していく過程の戦場の一つだったのでしょう。

National Geographicsのコメントでは、「発掘チームはballista ballsとして知られるローマの大砲の砲弾も発掘した。軽武装のスコットランド人は一人残らず殺害されただろう。」と締めくくっています。テロリストによる殺戮、ローマ皇帝による殺戮、1900年を経ても人の業は変わらないということでしょうか。絶望や諦めではなく、このような悲惨を防ぎ得る科学技術が古今東西求められているのではないかと私は考えます。

元記事(National Geographic)
Ruins—and Fierce Weaponry—From Bloody Roman Battle Discovered

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