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論文・記事の権利関係(2017年6月26日 藤田明希)

かぎけんの社員は時々学会に論文を投稿します。投稿した論文の著作権は学会と投稿した自分の2者が持つケースが多いです。更に学会が論文ダウンロードサービスを展開する会社と組んでサービス事業を行った収益はその会社に入ります。

論文のダウンロードサービスは多く展開されていて、国内ではJ-STAGEが有名で多くの論文を無料で閲覧できます。とはいえ、論文を参照する場合国内の学会誌よりも、海外の学会誌を参照する方がはるかに情報量が多いため、回数も多くなります。この場合は海外の論文閲覧サービスを利用することになりますが、そのほとんどは有料です。私が利用しているのはDeepDyveですが年間$300の費用が掛かります。

無料で論文がダウンロードできるサービスがあれば嬉しいという研究者の欲求をついて、Sci-Hubというサイトが立ち上げられ非常に多くの論文が無料でダウンロードできるようになりました。が、今日取り上げるNatureのニュースで米国の法廷でSci-Hubによる事業者に対する1500万ドルに及ぶ被害が認定されたことが報じられました。

この記事の主張ではSci-Hubは明らかに違法で、それを利用することは盗品を持って行ってしまうのと一緒だとコテンパンです。勿論Natureを出版するSpringer Nature社も論文ダウンロードサービスを提供しているのでそのような主張になるのは理解できます。ただ論文を投稿した研究者が、自分の手を離れた自分の論文が他者の商売のタネになっていることに関して少しの違和感を感じることも大いに理解できるところです。

ニュース元 Nature
US court grants Elsevier millions in damages from Sci-Hub

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