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塗らずに「色」を発色させる

一般的に物に色を付けるには、染料や塗料を用います。印刷物はもちろん、衣類や建材、自動車などなどの色はすべて染料や塗料で色が付けられています。また「絵画」もそうですね。

一方、色を表現するには他の方法があります。例えば蝶の羽の色は鱗粉に由来しますが、見えている色は鱗粉そのものの色というよりも鱗粉の微細な構造による反射光スペクトル変化が反映された結果です。このような発色の仕方を「構造色」と言います。蛾の目の表面構造、MothEye構造もその一種で光を反射しないので黒く見えます。

この構造色の原理を利用して、アルミニウムの表面に特定の構造を加工することで色を発色させる研究が理化学研究所から科学雑誌NatureのWEB Nature.comに掲載されました。この研究の特徴は色だけではなくて彩度も自由に選択できる点です。また染料や塗料と違って金属の構造そのものなので退色がほとんどないという特徴もあります。

手法から考えると衣服などへの応用よりも、金属や樹脂などの機械部品などに応用範囲が広そうです。まだまだ研究段階ですが、実用化されると環境負荷が大きい自動車の塗装プロセスが金属表面加工プロセスに代替できる可能性もあり、今後が楽しみな研究です。
 

ニュース元 理化学研究所( 2017年4月26日 )

アルミニウムのナノ構造体で「色」を作る-半永久的に失われず塗料より軽い「メタマテリアル・カラー」

http://www.riken.jp/pr/press/2017/20170426_1/

 

ニュース元 Nature.com

Up Scalable Full Colour Plasmonic Pixels with Controllable Hue, Brightness and Saturation

 

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