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基礎科学研究の危機(2017年6月29日 藤田明希)

先日、学術振興会関係のイベントに参加した際に、短期的に成果が見込まれる応用研究や実証研究などに予算が重点的に投入され基礎研究に対する予算が削られてしまうことによる「基礎研究の危機」が話題に上りました。

この危機は日本に特有の現象ではないらしくScience誌にカナダにおける基礎科学研究の衰退リスクについて記事が掲載されました。「報告-カナダにおける基礎研究衰退の危険性」(著者訳)というセンセーショナルなタイトルが付けられています。

記事の中で、「科学研究の生産性を最大化するためにいわゆるスター研究者に集中して予算を投入することは、政策段階の陥りやすい過ちである(policy level naiveté )」とのコメントがあります。日本の政策も正にこれと同じ方向性で予算を投入していることを考えると、Canadaの単語をJapanに変えてもそのまま通用する記事になります。

更に「偉大で想像を超えた成果を出すならば多くの人に広く薄く予算配分をすること」だと主張します。流石に著者はそこまで極端な方向性は全面的には首肯しかねますが、確かにスター研究者につけられた予算の使途を鑑みるに一理あるかとも思います。

ニュース元 Science
Canada’s basic science at risk of fading away, report argues

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